助産師になるには?どんな学校に通えばいい?

妊娠から出産、産後まで、妊婦さんと赤ちゃんをトータルにサポートする助産師という仕事。独立・開業が許されている魅力的な資格職でもあります。

では、助産師になるにはどうすれば良いのでしょうか。どんな学校に通う必要があるのでしょうか。

今回は、助産師になる方法について、いくつかのモデルケースとともに解説していきます。助産師歴8年になる私自身の経験を踏まえた内容です。

助産師になるには?どんな学校に通えばいい?

助産師になるには、看護師・助産師の両方のカリキュラムを修了し、それぞれの国家資格に合格しなければなりません。

以上の点を踏まえた上で、助産師資格取得までのフローチャートを見てください。

助産師資格取得までの道のり

助産資格取得までのルート

ご覧の通り、助産師になるためのルートは一通りではありません。私の周りには、大学や専門学校に通い看護師資格を取得後、助産師の養成学校で学んで助産師資格を取得したという人が多い印象です。

中には大学の4年間で看護師資格と助産師資格の両方を取得する人もいます(人数はかなり限られます)。

また、看護師の国家試験に合格後、病院などに数年勤務した後に助産師を目指して養成学校に入学する人も少なくありません。かくいう私も看護師の実務経験を経て助産師になったうちの一人です。さまざまなバックグランウドを持つ人たちに道が開かれているのが助産師という仕事なのです。

モデルケース1:看護大学→助産師学校

続いて、助産師資格取得までのモデルケースをいくつか紹介しましょう。

まずは、看護大学を経て看護師資格を取得したあと、助産師学校で学ぶケースです。

  • STEP.1
    高校卒業
  • STEP.2
    看護大学に入学
    看護大学に入学し、4年間学びます。
  • STEP.3
    看護師国家試験
    看護師国家試験を受験し、みごと合格!
  • STEP.4
    看護大学を卒業
  • STEP.5
    助産師の専門学校に入学
    試験を突破し、助産師の専門学校に入学。
  • STEP.6
    助産師学校での学び(1年間)
    助産師になるための勉強をします。実習がとにかく大変!秋頃には就職活動も。
  • STEP.7
    助産師国家試験
    助産師の国家試験にみごと合格!
  • STEP.8
    助産師の専門学校を卒業
    苦楽を共にした友人たちともお別れです(クラスメイトと就職先が同じになることも多いです)。
  • STEP.9
    助産師として就職
    晴れて助産師に!病院の産婦人科などで助産師として働きます。

モデルケース2:看護師を経験してから助産師の道へ

続いて、一度就職して看護師の実務経験を積んでから助産師を目指すルートです。

  • STEP.1
    高校卒業
  • STEP.2
    看護師の専門学校に入学
    看護師の専門学校で3年間学びます。
  • STEP.3
    看護師国家試験
    看護師国家試験を受験し、みごと合格!
  • STEP.4
    看護師の専門学校を卒業
  • STEP.4
    看護師として働く(3年間)
    看護師として病院で働きます。
  • STEP.4
    病院を退職
    助産師を目指すことを決意し、病院を退職。
  • STEP.5
    助産師の専門学校に入学
    入学試験に合格し、助産師の専門学校に入学。
  • STEP.6
    助産師学校での学び(1年間)
    助産師になるために勉強。さまざまな経歴のクラスメイトと共に学びます。秋頃に就職活動し内定をもらいます。
  • STEP.7
    助産師国家試験
    助産師の国家試験に合格!
  • STEP.8
    助産師の専門学校を卒業
    涙の卒業式
  • STEP.9
    助産師として就職
    晴れて助産師に!病院の産婦人科などで助産師として働きます。

こちらのモデルケースは助産師になるまでに辿った私の経歴が元になっています。

私は高校卒業後看護学校に3年間通い、看護師の国家試験に合格。総合病院に就職して3年間、看護師として働きました。その後、一念発起して助産師を目指すことを決意。助産師の専門学校を受験して合格します(倍率はけっこう高かったです)。助産師学校はとにかく実習が大変でした。濃密な1年間を過ごし、助産師の国家試験に合格。総合病院に就職し、助産師として働きました。現在は転職し、産婦人科のクリニックで働いています。

助産師学校ではどんな勉強をするの?

助産師の養成学校のカリキュラムは、講義と実習の2つに大きく分けられます。

講義では、助産学や助産診断・技術学、地域母子保健など、助産師として働くために必要な知識・技術について学びます。

実習の内容は、分娩介助実習、産褥・新生児実習、婦人科外来実習、NICU実習、母親学級指導などです。学校が提携している病院や助産所などに赴いて実習を行います。実習計画の作成やレポート作成は、限られた時間の中で提出しなければならないので、大変です。

なお、4月、5月は講義、6月と7月は実習など、講義と実習の時期が分かれているところも多いです。

助産師学校の学費はどれくらい?

助産師の養成学校の学費は、各学校によって開きがあります(60万円から200万円ほど)。お住まいの地域にある助産師養成機関のホームページなどで確認してください。

奨学金などを利用できるケースもあるので、情報収集が大事です。

私の場合は、就職希望の病院から学費の3分の1程度を賄える額の奨学金を借りていました。助産師学校を卒業後に2年以上勤務することを条件に返済不要になるものです。結果的に私は2年以上務めたので、実質的に学費を3分の2ほどに抑えることができました。

助産師の国家試験は難しい?

前述した通り、助産師になるためには助産師国家試験に合格しなければなりません。そこでみなさんが気になるのは、難易度がどれくらいかということではないでしょうか。

助産師国家試験の過去5年間の受験者数・合格者数・合格率を見てみましょう。

助産師国家試験の受験者数・合格者数・合格率

開催年 開催回 受験者数 合格者数 合格率
2015年 第98回 2,037 2,034 99.9%
2016年 第99回 2,008 2,003 99.8%
2017年 第100回 2,053 1,909 93.0%
2018年 第101回 2,230 2,201 98.7%
2019年 第102回 2,105 2,096 99.6%

助産師の国家試験はここ5年間、(2017年の3%を除いて)98%から99%の合格率で推移しています。助産師の養成学校でしっかりと勉強して本番にのぞめば、合格は決して難しくはありません。

ただ、合格率が高いとはいえ油断は禁物です。過去には合格率が80%台だったこともあるので、確実に合格できるよう対策を怠らないようにしましょう。

まとめ

以上、今回は助産師になるためのルートから学校の種類、国家試験の合格率などについて紹介しました。

この記事が、助産師を目指すみなさんのお役に立てば幸いです。

参考

保健師助産師看護師国家試験の現状について|厚生労働省
第102回助産師国家試験の合格発表について|厚生労働省
第101回助産師国家試験の合格発表について|厚生労働省
第100回助産師国家試験の合格発表について|厚生労働省
第99回助産師国家試験の合格発表について|厚生労働省